オイルシール ダストシールを交換すれば、ブレーキタッチが激変するのでは…というような 期待はモロクも崩れてしまいそうです…。
そもそも 6ポットキャリパーは 片面三つのピストンがある分 ディスクローター外周への接面が長くなるという構造になっています。12個全てのピストンがスムーズに動く間は凄い制動力を持ったシステムだというのは分かるんですが、日頃から モミだし等のメンテを怠り10年以上経過した場合 古いオイルシールやダストシールは2mmほどしか動かないピストンに凄く馴染んちゃったのかも知れません。
今回、レバーの異常なほどの遊びにスポンジーなブレーキタッチになった原因は どうもエア噛みじゃないように思えてきました。
マスターシリンダーにフルードを足す作業のことを考えて…スクリーンを外します。
片側6つのピストンだけでも 均等に動かすなど 新品じゃあるまいし至難です。
ピストンに傷が入らないように 片側に古いブレーキパットをセットし
一個ずつピストンを押し出し モミ出しという作業をします。
真ん中のピストンを押し出し 綺麗にシリコングリスで拭き上げます。
よく働くピストンがレバーを軽く握っただけで 勢い良く飛び出し さらにレバーを強く握り込んで
ようやく重い腰を上げるように 良く働かないピストンが出てきます
結果 こんな感じです。ピストンの圧力が不均等に掛かっていますよね…。
(これは 双方真ん中のピストンだけ均等に ピストンツールで引き出し
その間に角材を挟み、真ん中を始点にして ピストンがどんな動きをするのかがテーマです。
残り4個のピストンはまさに 不揃いのリンゴの如く 勝手気ままに働きます
レバーを軽く引くと
上の左側のピストンが元気良く こんにちわ をします こいつは力の限り押し込んできます。
これ以上 押せなくなると 今度は 一番下の右側のピストンが グイグイと出来てきます。
上下対角線上のピストンは スペーサー変わりの角材が折れんばかりの力を加えていき、
やがて、ようやく、申し訳なさそうに残りのピストンたち 「ちょっとだけ押させてください」と
まるで、内股の女の子のように現れてきます。
実際は ピストンが動き ブレーキパットを押し ディスクロータへ両側から圧力を加え
制動力を生み出す訳だから いくら、ピストンの圧力が不均等であり 不揃いのリンゴであっても最終的にはすべてのピストンが押し出され 制動力が生み出されれば問題は無いと思っていたのですが…モゴモゴ
実際にキャリパーを取り付け、プレートスプリングを外した状態で ブレーキパットの動きを覗いてみたら ピストンたちは不揃いのリンゴたちの如く スタンドプレイのワガママ困った君と化し、「僕は一番じゃないと嫌だー」のピストン君も居れば、その後続でライバル心剥き出しで挑むピストン君も居るし …ちょっとだけでいいのよーのピストンちゃんも居ます。 結果、少し長めの6pブレーキパットは 気のせいか斜めになっているような そして端っこのちょっと浮いたように見える部分を 一番弱っちいピストン君が申し訳なさそうに押している。たった一本のブレーキレバーを一回握れば キャリパーの中では複雑怪奇 いや ピストンたちの個性模様が様々な弊害をもたらしているようです。そして それが レバーへのタッチとして反映されているということです。
考えてみれば、ピストンの微妙なストロークの違いでも 12個もあるわけですから均等な圧力でピストンが出ないことには レバーのストロークに影響するのは当たり前なのかも知れません。
この段階で、すでに乗り手である自分の中では 6ポットから4ポット化+ラジアルシリンダーポンプに変更など 様々な思いが交錯しはじめました。画像を見て分かるように キャリパーは長年の蓄積した垢というか汚れというか とにかく 汚いし いままで充分に働いてくれた訳だし…。
そこで、これが最後です。
キャリパーから もう一度、不揃いのピストンたちをツールで完全に取り出し 整列させ超微粒のコンパウンドで さらに徹底的に磨き上げ チームワークを叩き込む作業に掛かろうかと思います。 軽く動かなくても良いし 少々鈍くても良いし、とにかく朝のラジオ体操のように、同じように動いてくれれば良いのです。
もう、こうなったらダメ元ということで…。
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