2012年4月26日木曜日

6ポットキャリパー憂鬱から開放

我侭なブレーキピストンたちへチームプレイの大切さを教えるために
作業に掛かります。

☆ブレーキタッチが良くないのはエアー噛みのせいではない

今回のシール類の交換によるブレーキレバーに大幅な遊びが
生じたことについて 多数の助言を頂きました。

複数型対抗ピストンのキャリパー又は6pキャリパーを装着した 大型バイクに長く乗り続けていた
人たちからは エアー噛みの可能性は低いので 他を調べた方が良いという意見
これは 知識ではなく 経験則からですね

または、このバイクを購入した某大型店の整備担当者も レバーを引いてみて
エアーではないということ…。 
山ほど 様々な大型バイクの整備をしてきている さらなる経験則からだと思います。
こういう大型店は リスクのある整備はしないでしょう 特に6ポットなど…
交換を勧めるはずです。

自分でやるしかない…。ダメ元で(笑)


ブレーキキャリパーを外します。


ブレーキパットを外した状態。



ピストンを ピストンロックバイスプライヤーで 外します
左右、順序を 忘れないように 紙に書いて ダストシールと一緒に置いておく
ダストシールが いとも簡単に外れる
これは 溝の掃除が不十分だということ 角の部分に付着物が取れきれていない…。


オイルシールは 外すと面倒なので外さない あくまでもキャリパーを割らずにやる作業なので
無理に外そうとすれば 傷が着く可能性大


割り箸をカッターで削り ダストシールが収まる溝を 丁寧に掃除をする
この作業を怠ると ダストシールがピタとはまらない


さーて、我侭なピストンたちを磨いていきます
一見 綺麗に見えても これが曲者で、目に見えない凹凸が必ずあり
それを 超微粒子コンパウンドで 鏡面とまではいきませんが
磨き込んで行きます。



綺麗になりました。
ここに さらにシリコングリスを薄く広げ磨きます
極力薄く、この際ブレーキフルードに混入したとしても仕方無し
(シリコン系のグリスは グリコール系のブレーキフルードに混入はしない
ハーレーなどに使われる dot5.1などシリコン系と聞いたことがあります。)
あくまでも ラジオ体操の如く揃った動きをピストン君たちにしてもらいたい。


ここで、ブレーキフルードの通り道をしっかり把握しておく
後のエア抜きが楽だと思います。
ピストン室同士のフルード通り道と
2分割で構成されている キャリパー連結部分のフルード通り道は
エア抜きスクリュー近く 上部に一つあるだけです。



一番下の位置にある ピストン室をブレーキフルードで満たし
磨きあげたピストンを ゆっくりと丁寧に挿入
この時、キャリパーを若干上に向け となりのピストン室にフルードがエアーと
いっしょに移動します。
粘度が少ないフルードですから エアーは一気に上に行きます。
こういう順序でピストンを ゆっくり丁寧に入れて行き最終的には
二分割されたもう片方のピストン室からフルードが出てきます…
そして、
もう片方のピストン室にも同じ要領で フルードで満たし
丁寧にピストンを挿入していきます。

あくまでも 優しく ゆっくりと フルードが勢い良く飛び散らないように …です



後は、キャリパーをセットし 通常エア抜きです。
私は透明のシリコンチューブを使い フルードが上の位置に行くようにしています。
なぜなら エアは上に上がっていきますからね

キャリパー上部にはフルードはほとんど入っていないので
エア抜きスクリューは開けっ放しで マスターシリンダー内にフルードを補充しながら
ゆっくりとレバーを引き キャリーパー内に フルードを送り込みます。

シリコンチューブ内をエアが抜けていくの見えます。
そのまま続ければ いずれ 気泡が見えなくなってきますので
それを確認してから ブリーダーボルトーを締め レバーを引き 
同時に ブリーダーボルトを緩め、その作業を10回程度くり返し
エアー気泡がシリコンチューブ内を通らないことを確認し
マスターシリンダーのダイヤフラムを綺麗に拭き 蓋をネジ止めし
ブレーキ回りと マスターシリンダー回りを 優しく水洗いします。
ブレーキフルードは吸湿性が強いので 錆びたり腐食したり塗装を剥がしたりします。
終了です。

上記を 二つキャリパーに対して、同じようにすれば良いということです。
私の場合 マスターシリンダーから遠い 左側のキャリパーから先に作業しました。

あれほど、エアーを噛んでいると決めつけていましたが、
キャリパー内の構造や ホースの取り回し など 見てみると
今のバイクは良く出来ていて エアーをなるべく噛まないように出来ているようです。
(キャリパー内一番上部のピストンを外した状態で 
下二つのピストンを中位に引き出しエアを故意に入れ
上に向けるだけで、上部に位置するピストン室から
プクプクとエアーが上がってきます。また
横に向ければブレーキホース取り付け口からも気泡がプクプクと上がってきます。)

ピストンたちのチームワークは というと
エア抜き用のスクリュー(ブリーダーボルト)を開いた状態でも レバー引けば 
ピストンが軽快に出てきます。
エア抜きスクリュー(ブリーダーボルト)を締めた段階で 微妙な差はあるものの
6つのピストンが出てきて レバーに一瞬でタッチが出ます。

そして
見事なほどレバーの遊びは減り、激変しました。
それまでは
レバー調整が5段階あるのですが、一番遊びの少ない1にセットしても
大きな遊びがあり、レバーがグリップに接触しかけていました。
それが、
一番遊びが多い5にセットしても グリップにレバーが
接触するには まだまだ余裕があります。

後は レバーにゴムを引っ掛け 一晩ぐらいテンションを掛けてあげ
フルードの漏れが無いことを確認するだけです。
ホントは ホースとキャリパーが繋がっているバンジョーボルトや
ワッシャーを替えなくちゃいけなかったのですが、
もし、この作業で治らなければ キャリパーの交換も視野に入れていたので
今回は大目に見てもらうことにします。漏れれば別ですが…。

当初は
シール類の交換を勧められ、パットなどのパーツを取り寄せてくれた
友人のバイク屋とエア抜きのため、色んな方法を試したのですが、
私もバイク屋も エアが抜けきれていないと判断
キャリパーを色んな方向に向け 「プラハンで叩iいてエアーを追い出す」
と助言を受けました。
こういう時 助言はとても有り難いものですが、

叩きの荒療法は最後の手段と したかったのです。

今回、苦肉の策として
悪い頭を使い、自分で考え 作業する以外 方法がありませんでした。


様々な経緯はありましたが、
結果的に 友人の言うように シール類を交換して正解でした…。
貴重な経験を得た上に、 良く効くブレーキに蘇りました

でも

ブレーキは命を守る大事な機関部分だけに
専門家に に頼むのが本来の姿だと思います。




メンテというのは1+1=2であり それ以上でも それ以下でも無い

つまり 
丁寧に扱えば扱うほど バイクは それに応えてくれるでしょう
雑に扱えば それ相応の応えしかないようです。

加筆 

しかし、これでも 結果的にうまくいかなかった…













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