2015年5月9日土曜日

今更…12Rの欠点。





2000年 A1型 ZX-12R

発売され 15年経過しています。
発売当時から
フレーム剛性が強すぎて 曲がらないとか
タイヤの接地感が無いとか
結構 バッシングが多いようです…。

しかし、
実際は そうでも無く

フロント リアの 
プリロードと
リバウンド コンプレッション の調整機構があるので

ノーマルサス(前後共にKYB製)の調整と
走り方に合わせた タイヤのチョイスで なんとかしてきました…。
(純正のタイヤサイズは 200の17 私は直ぐに190に変えました。)
フレーム剛性が強すぎることに関しては
車体剛性が弱過ぎるよりマシであり
足回りは 乗り方次第で調整が出来ます。
ステアリングを切って曲がるのではなく
バイクをバンクさせ セルフステアを多用することが大事です。
バンクの始まりから立ち上がりまで片手でも走れるよう 
ステアリングは握るというより
手を添えているだけという感覚…。
要は 倒して回頭するということです…当たり前のことですけどね


欠点

最大の問題点であり欠点はエンジン特性です…。
スムーズに走れる 山岳路や 直線を 少し走った位では分かりませんが、

渋滞の市街地や 一旦停止からの交差点での右左折や 
特に坂道発進から交差点を曲がる時などは結構気を使います。

クラッチとスロットルワークを雑に行うと エンジンストール(エンスト)し、
ストリート用として クエスチョンは多々あります。

このバイクに乗り換え
それまで 公道で味わったことのない
 エンストからの「立ちゴケ」という 貴重な体験をさせて頂きました。

これの前に
リッターのネイキッドを2台ほど 乗り継いできたのですが 
その2台の子たちが、
2速 で ほぼアイドリング状態から スムーズに登坂していく所を
12Rは 1速かつ クラッチを当ててやらないと カクンとエンストしそうです。
極低回転域では粘りがないのです。 
狭い路地でのUターンは半クラッチが不可欠となります。
おかげで
走ってる間はクラッチレバーに人刺し指と中指を掛けるのが癖になりました。
(オフロードを走っている頃に戻ったみたいです)

クラッチレバーはこの2本の指とたまに薬指を使い操作しています。
いつでも 半クラが出来るよう対応せざるを得ないのです。

例えば ライスクなどの バイロン間の極々低速スラロームなどで
クラッチを完全リリースし
アクセリング(スロットルワーク)だけでクリアしていく
ような分野は最も苦手であり
1速で グッと リアタイヤにトラクションを掛け 小刻みに
パイロン間で荷重を掛けたり抜いたりしながら 走りたくても出来ないし、
 どんな人でも出来ないと思うくらいです。
悔しいので 意地で クラッチレバーを完全リリースし 
ガクンガクンさせながらトライしましたが、
見事にエンストしました…。
(そこそこの速度があれば良いんですけどね)

極低速時の操作性など 「そんなの関係無ぇー」と言わんばかりの
傲慢 我儘さ… 1200ccもあるのに

つまり
極低速時 開けて 閉じて の繊細なアクセリングが出来ない子なのです。
ファイナル(リアスプロケット)の減速比を色々と試したりもしたのですが…
当時のフューエルインジェクションはそんなもんだったのかも知れません。

だからと言って 穏やかな性格でなく その気性は激しく

 抜けの良い排気管を装着すれば 限り無いと思うほど高回転まで吹け抜けます。
その時の加速感は 龍が炎を吹く咆哮の如く凄まじい排気音を奏で
このバイク独特のものです。
遠い昔 デビューしたばかりの 
10R 6R と サーキットで乗り比べをしたことが
ありますが、直線での体感的な加速力は
12Rの方が上だと感じたことを鮮明に覚えてます…。
遠い昔の話です。

但し、
出来の悪い第一世代16bitコンピューターに伴った
フューエルインジェクションは 抜けの良い排気管に対しての
修正に対応出来ておらず、
 スロットルを閉じた時のアフターファイヤーと そこから開けた時のドンツキには
閉口したこともあります…。
排気効率が良くなった分、シリンダーに送り込まれるガスが薄くなり
高い回転域から スロットルを閉じた時に燃焼しきれないガスが
排気管の中で爆発しているのですが あまり気持ちの良いものではありません。

質の悪いドンツキは実に嫌な現象

ドンツキとは スロットルを閉じてから開けた時 
エンジンが反応するまでの
異様に長く感じるタイムラグのことです。
 低回転域のトルク変動によって急激に押し出されること 
より ひどいものです…。

峠において 特に下りのドンツキには閉口する
 コーナー進入前に開けていたスロットを閉じブレーキング
同時にシフトダウン バイクの体制を整える
パン パパン バーンと排気菅から デカい爆発音(アフターファイヤ)
当然スロットルを閉じたことによりエンブレもかかっている。
(コーナーのRを見極め さらにシフトダウン またはそのまま)
ここからが怖い
リアタイヤにトラクションを掛けるため
スロットルをパーシャル状態(速度に合わせる)に保ち旋回体制に入ろうとするが
スロットル開度に応じたエンジンの反応が一切無くなる
あれっ…
エンジンはエンブレ状態
旋回態勢に入り
旋回途中であろうと
深くバンクしている最中であろうと 
そんな タイムラグの後に
唐突にエンジンが反応し
思いがけず ガツーンと リアタイヤが駆動し車体を押し出す
1200ccの排気量の場合 その推進力の衝撃は半端ではなく
思わず 一瞬だけクラッチを握り そのパワーを逃がし難を逃れるのだが、
これはこれで
周知の通り 旋回中にリアタイヤのトラクションが一瞬でも抜けたら
回頭において 自分の思い描いたラインを大幅に外れる
そして
このドンツキのタイムラグが実際より とても長く感じる…。
結果
この現象に慣れたとしても ペースは落とさざる負えない。

対策として アイドリングを200~300回転ほど高くする
(12Rの場合インジェクションサイドに 
アイドリング調整ダイヤルがあります。)
または
乗り方の対策として 高い回転域からの減速時スロットルを全閉にしない

コンピューターとインジェクションの間に取り付ける 
空燃費調整機(パワーコマンダー)
などを検討したりもしましたが、
スロットル開度に対しての燃調をPCで調整する 
そんな高等なことは出来ません。
また、爆音を轟かせ 走るほど 若くもないし…。

現在 トリックスター製フルエキを装着しています。
合わせてバッフルを貰った物も含め3種類ほど持っています。
一番、心地よい排気音がするものを選択しています…。
良い排気音です。
(低くもなく 高くもなく うっとりするような排気音です。)

丁度良い排圧と排気率なのか
 ドンツキも アフターファイヤーの症状も
殆ど無くなりました。

何年も前に
パワーよりも 乗り易さを選択した次第です…。
いくらパワーを絞り出しても スロットルの反応が
乗り手の意思とは別に作動するのであれば恐怖以外感じません…


次に選択する後継車は まだ 見えて来ませんが、

もう、パワーや速度に こだわりを持つことは無いでしょう。











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