「子どもには伸び伸びと育ってほしい」というタテマエはあるものの、いざ子どもと面と向かうと「グズグズしないで!」「なんでおとなしくできないの!?」など、つい叱り飛ばしてしまう……なんてことはありませんか?
もちろん、親として、子どもに厳しく接しないといけない局面もあります。でも、いつもガミガミだと、子どもが委縮してしまい、すっかり無気力になったり、人の顔色ばかりをうかがうようになったりするおそれもあります。
そこで、セラピストの紀野真衣子さんから、子どもが伸び伸び育つ魔法のフレーズ5個を教えていただきました!
■1:「○○ちゃん(君)はどうしたいの?」
「人は“あなたのやりたいようにやりなさい”と言われても、“別にやりたいことなんてないし……”と思考がストップして、行動が起こせないことがあります。
でも、“あなたがしたいことは何ですか?”と質問されると、“私は何がしたいのだろう?”と答えを見つけようとするのです。
“自分で考えて行動する”ことをサポートするような質問をしてみましょう」
たとえば、献立をママがいつも決めてしまうのではなく、「今日は何が食べたい?」と子どもに尋ねてみて、そこからさらに「カレーライスが食べたいなら、スーパーでは何を買いたい?」と話を深めるなど、日常生活のちょっとしたことから、子どもに考えさせてみるのもいいかもしれませんね。
■2:「どうしたかったの?」
「子どもが悪いことをしたように見えるとき、“ダメじゃない!”と頭ごなしに叱るのではなく、“何がしたくてそうしたのか”を聞いてみましょう。
“なんでそんなことしたの!?”と詰問調になるのではなく、あくまで表情も声色もおだやかに。誰かのためを思ってやろうとして失敗したのかもしれませんし、やったことのないことに挑戦しようとしたのかもしれません。
子供の思いやりや、挑戦する心を大事に育てましょう」
■3:「どうすればいいと思う?」
「あなたがちょっと困ったときに、子供に助けを求めてみるのもいいでしょう。“お母さんの役に立った!”という喜びが、自信へとつながります。
返ってきた答えがあなたにとってイマイチなものだった場合には、“うーん、ママはそれはできないなぁ、でもママのために考えてくれてありがとう”と、頑張ったことをほめてあげてください」
■4:「ありがとう」
「上記のように、子供がしてくれたことに“ありがとう”を返すことで、“自分のやることは喜んでもらえる!”と自信が付き、進んで行動する子になります。
もし、あなたにとってありがたいものではなかった場合には、“こういう風にしてくれたらもっと嬉しいな”と、新しい選択肢を与えてあげましょう」
たとえば、お手伝いでも、子どもがうまくできなくて、かえってお母さんの手間を増やすだけなんてこともしばしばですが、そんなときもまずは「ありがとう」を!
■5:「大好き」
「子どもの“行動”を肯定することも大事ですが、“存在”そのものを認めてほしいという欲求を満たすことも大事です。
“大好き”、“愛してる”というほかに、“生まれてきてくれてありがとう”や“一緒にいてくれると嬉しいな”など、いろいろな言葉で伝えましょう。
行動だけでなく、存在そのものを認めてもらえる、話を聞いてもらえる……これらの“安心感”は、子どもの成長にとって非常に重要なものです」
以上、子どもが伸び伸び育つ魔法のフレーズ5個をお届けしましたがいかがでしたか? もしかすると、「私こそ、こんなこと言われながら育ちたかったな……」なんて溜息が出てしまった人もいるかもしれませんね。
紀野さんは、以下のようにもコメントしています。
「これらの言葉は大人にも有効です。自分の気持ちに寄り添い、自分自身を愛しましょう。
大人になったあなたは“自分を育てる”ことだってできるのですから……」
つまり、今回、紹介したフレーズは、子どもに対するだけでなく、夫などの身近な大人、さらには自分自身にかけてもいいのです!
子育てがうまくいかなくてストレスがたまったり、自己嫌悪に陥ったりした際には、これらの言葉をまずは自分に向かってつぶやいてみるといいかもしれませんね。
【子育てシリーズ】
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