2011年2月8日火曜日

カワサキ フラッグシップモデル史 Ⅶ

2000年、2輪を取り巻く情勢が変わります。
それは 海の彼方 
欧州諸国に対して ある国(オランダ)の交通省により
最高速一律規制の働きかけがあったそうです…。



それまで ヨーロッパでは 各国個別の規制がありました。
例えば
ドイツ フランス においては100馬力規制(馬力に対しての税)
スイスでは 環境保護のために大幅な馬力規制と騒音規制…
英国では 125馬力まで…

 ベルギー オランダ イタリア は 特に規制無し
(ヨーロッパ一般向け)


2000年のZX-12R販売においてのある例

ドイツ仕様(排ガス規制がある)の場合
2000年モデルでは、
実測308km/hで型式認定を受け、
市販バイク初の300km/hオーバーマシーンとなった。
しかし2001年からの排ガス規制の更なる強化、
’02年からの最高速度規制が実施されることが決まった。

…etc.

KAWASAKIの新車には仕向け地コードという3桁数字が
タンク下や ヘッドライトの下にあり
そのラベルによって フルパワーの証となっています。

2000年に提案された規制は 馬力や排ガスの各国規制は当然で、 
さらに 最高速に対して
EU諸国すべてに規制という 二輪を取り巻く状況の大きな動きでした。

2001年を目処に実施された規制

・最高速は300km/hまでとする
・構造上、それ以上のスピードが出る車種にはリミッターを取り付ける。
・スピードメーターに300km/h未満の表示とする

4輪に対して、この規制は実施されなかったので
これはZX-12RとGSX1300Rを対象にした規制というのは明らかですね

大型バイクの大きな消費地で このような規制が実施されれば、
バイクへの社会的批判を避けるためにも 日本メーカーは
この規制に適合させ 他国向けへの輸出をせざる負えません
実質、ヨーロッパの規制が世界共通となります…。



この時点で 最高速争いにピリオドが打たれたことになります

KAWASAKIは 2000年に最高速規制の提案があった時点で
熟成不足は覚悟の上、見切り発射でZX-12Rをデビューさせ
GSX1300R(隼)に対抗させたかったようですね

ある意味
500SS RS900 RS750(国内) GPZ900r ZZR1100 と 
その歴史において 最速モデルのタイトルを塗り替えてきた
KAWASAKIの意地を感じます…

後世に 
…公道最速争いをしたモンスターバイクたち… 
そんな雑誌が出たら
ZX-12R A1型でピリオドが打たれたことになります。 

翌2001年に ヨーロッパ規制に対応した ZX-12R A2型をリリース
カラーリングが変わり スピードメータの表示が変更され
インジェクションのセッティングが変わります…。

翌2002年にマイナーチェンジします
基本的なスタイルに変更はありませんが、2年間の熟成を得て発表された
ZX-12RはB1型と呼ばれます。
ラムエアーインテークの形状が大幅に変わります
A1型で 大幅に突き出たラムエアーインテークは 出来るだけ風圧を受け
カウルの影響を受けず、エアークリーナーボックス内に取り込むためだったのですが、
ヨーロッパ規制により 最高速は至上使命ではなくなったため
一般受けする ラムエアーインテークとなります…。
その外、B型では特徴あるモノコックフレームの剛性バランスを見直し
操縦性の向上と 熟成を重ねながら
正常進化という目的で完成度を高めていくことになります…。


B1型 ~ B6F型
その後 2004年にB3型より 環境基準に適合するように
キャタライザー(排ガス清浄装置)が取り付けられ
毎年のように 細かい熟成が重ねられ完成度が高められていきますが…

2006年に フラッグシップの座を 後継に譲り
生産は終了されます…


To be continued…







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