2011年2月5日土曜日

カワサキ フラッグシップモデル史 Ⅵ






まさに カワサキから2000年にデビューした 
ZX-12Rは スズキGSX1300R(隼)から 最速の座を
奪い返すための 渾身のモデルだったのではないかと思います。

なぜなら、メーカーが新型開発する時点で
ライバル車を徹底的に研究の上、性能的に確実に勝っていることを
実証した上で 新型車種を発表します。
公道最高速のタイトルを手中に収めるのは 当然だと
誰もが思っていたはずです。

300km/超などという速度を達成するためには 少々の馬力UPでは叶わず
徹底的に空気力学の分析が必要で、
ZX-12Rの車体は
スリム化による 空力性能の向上と、
高速域での車体剛性を上げるために
モノコックフレームを採用しました。

そのために KAWASAKI重工業内の航空機部門も開発に参加し
航空機用の風洞実験設備を使いながら 車体デザインを煮詰め
他社では出来ない詳細な測定をしながら デザインを決定したそうです。

…モノコックの意味は
monoは ギリシャ語で「ひとつの」。coqueはフランス語で「殻」
という 合成語らしいです(Wikipeddia)

この 殻が エアークリーナーやバッテリーケースの役割をしています。
強度的に ZZR1100のツインスパーフレームの2倍以上とも
言われているようです。…



そのデザインの特徴として、高速時の風圧を直接取り込み
可能な限り加給効果を生み出ささせるため 鯉の口のように エアーダクトが
アッパーカウルの下部に飛び出しています。
この加給効果が働いた時に 10%ほど出力が上がるそうです。
非常に個性的なデザインです。


ZX-12Rの主な諸元は以下のとおりです。
(カッコはGSX1300R(隼))

型式:ZX1200A1(GW71A)
発売日:国内販売無し(逆輸入でのみ購入可)

全長×全幅×全高:2080×725×1185(2140×740×1155)
軸距:1440mm(1485mm)
シート高:810mm(805mm)
乾燥重量:210kg(217kg)

エンジン型式:4ストローク並列4気筒(DOHC16バルブ)
冷却方式:水冷
排気量:1199cc(1298cc)
最高出力:178PS/10500rpm(175PS/9800rpm)
最大トルク:13.6kgm/7500rpm(14.1kgm/7000rpm)


燃料タンク容量:20L(21L)
タイヤサイズ 前:120/70-17(←)
タイヤサイズ 後:200/50-17(190/50-17)



誰もが 明らかなアドバンテージを持ち
KAWASAKIの新型車種に性能面で軍配が上がると
思っていたはずです。
後から出したジャンケンで負ける訳がないのですから…

結果は 非常に微妙でした
世界において 新型KAWASAKI 12R  vs SUZUKI HAYABUSAは
注目され 当然比較されます。

最高速度では 2km/h SUZUKI 隼が上回っていた…や

300km/hに達するまでのタイムは KAWASAKI 12Rが上回っていた
…etc.

様々な内容でレポートされ そのインプレッションが雑誌を賑わせてくれたました。

考えてみれば、最速争いにおける最高速など 
バイクの個体差もあるでしょうし、
その時の天候等の条件もあるでしょうし、
ライダーのスキルもあるはずです…
それに 一喜一憂するのも大人気ない話なのですが、

相対的に結果を出すとすれば
「 引き分け 」が相応しい内容だと思います…

後出しジャンケンで 「 引き分け 」というのは
実質的、負けに等しいということは否めないでしょう…

さらに ZX-12Rに対して、最高速以前の 扱いやすさや乗りやすさ等の
基本性能に対して、一般バイクユーザから熟成不足という点での指摘が
増えてくるのです…。
そして…時代の流れによって 
この最高速争いに終焉がやってきます…。

To be continued…。






0 件のコメント:

コメントを投稿